大物塗装寸法・面積の大きい製品にも均一な膜厚で防錆力を

カチオン電着塗装による大物塗装

カチオン電着塗装は、大物(最大寸法:長さ2,000mm×高さ1,300mm×幅600mm)の塗装においても、均一な仕上がり、防錆力、環境対応、生産性等の面で優れています。

自動車部品のドア、ボンネット、バルクヘッドやフィルター等の中型部品の量産に最適です。他塗装方法と比べ、以下のような優位性があります。
カチオン電着塗装による大物塗装
  • 均一な膜厚

    電気化学反応を利用し、複雑な形状や凹凸部にも均一な塗膜を形成可能。2メートル級の大物の隅々までムラなく塗装ができます。
  • 優れた密着性と防錆力

    電着時に化学反応が発生し、金属表面との密着性が高く、防錆性能も非常に優れています。大物の全体を一度に防錆処理するのに最適です。
  • 環境性能と経済性

    塗料の利用効率が高く、廃液が少ないため、環境負荷が低いです。塗料のリサイクルが可能で、大型物の塗装においてコスト削減が期待できます。
  • 生産効率

    浸漬式であるため、大型物でも一度に処理でき、作業時間を短縮可能です。機械による塗装で大量生産にも対応できます。

大型塗装事例

  • 自動車のボンネットの塗装

    自動車のボンネットの塗装
    自動車のボンネットになります。
    平面部が大きい部品です。厳しい外観基準もクリアしています。
  • 自動車のバックドア(テールゲート)の塗装

    自動車のバックドア(テールゲート)の塗装
    自動車のバックドア(テールゲート)になります。
    浸漬させて塗装をしておりますので、内側まで塗装ができます。
  • 自動車のサイドドアの塗装

    自動車のサイドドアの塗装
    自動車のサイドドアになります。
    前処理も浸漬形式で行っておりますので、外側・内側問わず高い防錆力を発揮します。
  • 自動車のバルクヘッドの塗装

    自動車のバルクヘッドの塗装
    自動車のバルクヘッドになります。
    複雑な形状ですが、隅々まで均一な塗装が可能になります。

工程の流れ

タマ化工のカチオン電着塗装の工程は、エアブローとシーラーがある事が特長で、
どちらも職人の手作業で素早くおこなわれます。
  1. 素材受入
    お客様から日々納入される多種多様な製品を受け入れています。
    塗装ライン
  2. 吊掛け
    お客様から日々納入される多種多様な製品を受け入れています。
  3. 前処理
    製品に付着した脂分や汚れを取り除き、リン酸亜鉛皮膜を形成させます。
  4. 電着
    塗料液に浸漬させ、均一な塗膜を形成させます。
  5. エアブロー・
    シーラー
    職人による素早い手作業で品質をより高めます。
    エアブロー
    シーラー

    ※シーラーは一部の対象製品におこなっています。

  6. 脱荷・外観検査
    一つずつ製品をハンガーから外し、外観を検査します。
  7. 小物組付・梱包
    塗装後の製品への小物組付(バンド掛け等)や梱包をおこないます。

よくある質問

  • どのような用途で使われるか

    カチオン電着塗装は、自動車のような複雑な構造の部品の塗装方法として最も適しています。優れた防錆力や密着性、仕上がりのよさから自動車部品やボディには欠かせない塗装方法です。
    その他にも、製品の防錆力が重要視される、建設機械、農業機械、家電製品、スチール金具、農機具、建材、鋳物、電子部品、業務用空調・加湿器などの塗装にも用いられています。
  • 対応する素材はどのようなものか

    カチオン電着塗装では通電を必要とするため、対応できる素材は電気が通るものに限定されます。当社では最も一般的な対応素材である鉄に対して主に電着塗装を行っております。自動車部品や産業機械部品など、多くの用途で活用されています。
  • 防錆力はどれくらいか

    カチオン電着塗装は、合わせ目、内面・端面にも塗装ができます。塗膜と素材の密着性も高いため、長期使用においても塗膜の剥がれや割れが起きにくく、優れた防錆力を発揮します。
    当社では、濃度5%、温度55℃の塩水にクロスカットした試験片を240時間浸漬させ腐食がないことを確認しています。
  • 絶縁性はあるか

    エポキシ樹脂やアクリル樹脂などの絶縁性塗料で表面がコーティングされるため、カチオン電着塗装で塗装した部品は絶縁性に優れています。
    高い絶縁性が求められる電子部品や家電製品にも活用されています。